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小児科コラム

赤ちゃんのスキンケアが大切な理由!?

投稿日: 2021.02.01
お母さんと赤ちゃん

もちもち、ふわふわした肌を想像して「赤ちゃんみたいな肌になりたい」とよく耳にしますが、実は赤ちゃんの肌はとってもデリケートで皮膚トラブルを起こしやすいのです。実際に我が子の皮膚トラブルで悩まれている方、多いのではないでしょうか?

そこで今回は赤ちゃんの皮膚の構造もふまえて皮膚トラブルを起こしにくくする方法を解説していきますね。

赤ちゃんの皮膚

皮膚は大きく分けて3層構造になっています。一番上から順に表皮、真皮、皮下組織です。そして表皮内の一番外側の層を角質層と言い、その外側には「天然のクリーム」と呼ばれる皮脂や汗などの成分でできた皮脂膜があります。

角質層は、角質細胞がレンガ状に積み重なっており、体内の水分が外界に失われるのを防ぐ水分の保持機能や外界からの刺激をブロックし皮膚を保護する役割を担っています。皮脂膜は角質層の水分が蒸発しないように防いだり、角質が剥がれ落ちるのを防ぐ役割があります。

主にこの角質層と皮脂膜の2つが皮膚のバリア機能維持(肌の内側の水分を逃さない。外界からの刺激から肌を守る)をしてくれています。

この皮膚のつくりは赤ちゃんも大人も一緒なのですが、なんと赤ちゃんの角質層は大人の1/2程度の厚さしかないのです。加えて生まれて生後3か月頃までは母親の女性ホルモンが残っており皮脂分泌が盛んですが、それ以降から性ホルモンが活発になる思春期頃までは皮脂分泌が最も少ない時期となります。

皮脂分泌が少ないということは皮膚の最前線で戦ってくれている皮脂膜が薄くなり、角質層の水分が蒸発しやすい状態や外界からの刺激に対する抵抗力が弱くなる状態がつくられるため「アトピー性皮膚炎」などの皮膚疾患にかかりやすくなります。

だから赤ちゃんからのスキンケアが大事になってくるのです。では、どのようなスキンケアが必要なのでしょうか。

洗浄・保湿が大切!

このような皮膚トラブルを未然に防ぐためには「石鹸できれいに洗う」「保湿剤を塗る」これをセットで行うことが大切です。

1.石鹸できれいに洗う

石鹸はどのような形態でも大丈夫ですが、刺激の少ないものを選びましょう。また、洗う時は皮膚をこすりすぎると皮脂膜が落ちる原因にもなるので固形石鹸であれば沢山の泡をたてて素手で優しく洗いましょう。タオルは皮膚を傷つける原因になります。

赤ちゃんは関節のある部分を中心にしわが多いです。特によだれや汗のたまりやすい首の前後、脇、お尻や足の付け根などしわの奥までしっかり洗いましょう。手、足の指もしっかり広げて洗いましょう。

ポイント!!

素手でたっぷりの泡を使用する

皮膚のしわを伸ばしながら丁寧に洗う

ぬるめのお湯ですすぎ、十分に洗い流す

 

2.保湿剤を塗る

入浴後、皮膚はとても乾燥した状態です。身体の水分を拭き取ったらすぐに保湿剤を塗りましょう。

軟こうチューブを使用する場合は約0.5gを(人差し指から第一関節くらいまで)指にとり両手で広げます。これで大人の両手のひら分の面積を塗ることができます。容器に入っている場合は小さじすり切り1杯で乳幼児の全身1回分、3歳を過ぎたら小さじ1杯半が目安です。

※使用量はあくまで目安です。また、保湿剤以外の外用薬を使用している場合、塗る順番については主治医の指示に従って下さいね。

両手のひらに保湿剤を均等に伸ばしたら、赤ちゃんの全身に塗り伸ばしていきます。塗る時も洗う時と同じく、しわの伸ばしながら優しく塗っていきましょう。顔と頭皮も同様です。特に耳の後ろは塗りわすれることが多いので気をつけて下さいね。

また頭皮を塗るときには保湿成分が髪にとられないように、髪をかき分けながら地肌全体にいきとどくように塗っていきましょう。

ポイント!!

入浴後すぐに保湿を行う

塗る人は手をきれいにしてからクリームを手にとる

塗る時は優しくしわを伸ばしながら塗る

 

 

日常生活での注意点

・よだれを定期的にふきましょう

よだれで口の周りがかぶれないように適時ふきとりを行いましょう。唾液の成分を残さないように濡れたタオルでふくようにしましょう。あれている場合は口の周りを保湿剤で保護しましょう。

・赤ちゃんの爪を切りましょう

皮膚にかゆみや湿疹があると赤ちゃんは無意識に皮膚をかいてしまいます。もし、爪が伸びていたら皮膚の状態をさらに悪化させることに繋がります。常に爪には気を配り短くきっておきましょう。

・洗濯

洗剤に注意して洗濯しましょう。洗浄成分が皮膚に刺激を与えることがあります。界面活性剤、蛍光剤入りの洗剤はなるべく避け、赤ちゃん用のものなど低刺激の洗剤を使用すると皮膚の刺激を抑えることができるでしょう。

・汗や紫外線から皮膚を守る

特に冬は厚着をして汗をかきやすいです。汗をこまめにふきとる他、通気性に優れた衣服選びも大切です。また、赤ちゃんは皮膚が未発達で薄いため紫外線による悪影響を受けやすいです。紫外線の強い時間帯にはなるべく外に連れ出さないようにしましょう。

当院でのとりくみ

当院では、乳児期によく起こるスキントラブルの原因を探ります。新生児ざ瘡(新生児にきび)、脂漏性皮膚炎、おむつ皮膚炎、ドライスキン、アトピー性皮膚炎、あせもなど原因は多岐にわたります。

診断や程度に合わせて最適な治療法を提案させて頂きます。治療の中心となる保湿剤です。保湿剤は様々な種類があり、ローション、クリーム、軟膏があります。保湿効果が高い順に軟膏>クリーム>ローションとなりますが、保湿効果が高い順に油性成分が多くなるので塗りずらいというデメリットもあります。それぞれメリット、デメリットがあるので塗る場所や季節に合った保湿剤を処方するようにしています。また、保湿剤を塗る時の適切な量、効果的な時間帯など一人ひとりに合わせた細かなアドバイスも行っております。

記事を読んで赤ちゃんのスキンケアに興味をもたれた方、現在お子さんのスキントラブルで悩まれている方、お気軽に当院でご相談ください。