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小児科コラム

気管支喘息予防

投稿日: 2026.10.17

こんな症状はありませんか?

✓ 風邪をひくと咳が長引く
✓ 夜中や明け方に咳が出る
✓ ゼーゼー、ヒューヒューする
✓ 運動すると咳や息苦しさが出る
✓ 季節の変わり目に発作を起こす
✓ 発作を繰り返し、救急受診したことがある

これらの症状は喘息でみられますが、別の病気でも起こります。 症状の経過や診察所見などから総合的に判断します。

喘息は気道に炎症が起こる病気です

気管支喘息では、空気の通り道である「気道」に 慢性的な炎症が生じ、刺激に敏感になります。

風邪、ダニ、ほこり、運動、冷たい空気などがきっかけとなり、 気道が狭くなることで、咳や喘鳴、息苦しさが生じます。

大切なポイント

咳やゼーゼーが治まっても、気道の炎症が十分に 改善していない場合があります。

そのため、発作がない時期にも予防治療を続けることが 重要になる場合があります。

長期管理の目標は、発作のない普通の生活

夜ぐっすり眠れる

夜間や早朝の咳で目が覚めないことを目指します。

元気に遊び、運動できる

学校生活や体育、スポーツを楽しめる状態を目指します。

発作による受診を減らす

急な受診や入院につながる重い発作を予防します。

必要最小限の薬で安定させる

症状を評価しながら、適切な薬の種類と量を調整します。

長期予防治療の中心は吸入ステロイド薬です

吸入ステロイド薬は、気道の炎症を直接抑える薬です。 小児喘息の長期管理において重要な役割を担っています。

吸入ステロイド薬(ICS)

気道の炎症を抑え、発作を起こしにくい状態に保ちます。 年齢や症状に応じて、毎日使用する治療などを選択します。

ロイコトリエン受容体拮抗薬

モンテルカストなどの飲み薬です。 年齢や喘息の状態に応じて使用します。 吸入薬と併用する場合もあります。

ICS/LABA配合吸入薬

吸入ステロイド薬と長時間作用性気管支拡張薬を 組み合わせた薬です。十分に改善しない場合などに、 年齢や適応を確認して使用します。

発作時の治療薬

気管支を広げて症状を和らげる薬などを使用します。 発作時の薬だけに頼らず、炎症を抑える 長期管理も大切です。

お薬の選び方について

喘息治療は年齢、症状の頻度、発作歴、 吸入できるかどうかなどにより異なります。 すべてのお子さまに同じ治療を行うわけではありません。

吸入ステロイド薬は安全ですか?

「ステロイド」という名前から、副作用を心配される 保護者の方もいらっしゃいます。

吸入ステロイド薬は、主に気道に作用する薬であり、 飲み薬や注射のステロイド薬とは全身への影響が異なります。

一方、使用量や治療期間によっては、成長速度への影響などが みられることがあります。そのため当院では、 症状と成長の経過を確認しながら、 必要最小限の有効量を目指します。

副作用を減らすために

正しい吸入方法、吸入後のうがい、 うがいが難しいお子さまでは飲水や口の中を清潔にすること、 必要に応じたスペーサーの使用などが大切です。

予防薬はいつまで続けるの?

長期管理は、症状がなくなったからといって すぐに中止するものではありません。

1

まずは症状を安定させる

咳や喘鳴、夜間症状、発作の回数を確認し、 良好なコントロールを目指します。

2

安定した状態を維持する

発作の有無だけでなく、運動時の症状や 発作治療薬の使用回数なども評価します。

3

必要に応じて薬を減らす

一般に良好な状態が約3か月以上続いた場合などに、 発作リスクを確認しながら段階的な減量を検討します。

自己判断で中止しないでください

薬を減らす時期や中止できるかどうかは、 お子さまごとに異なります。 医師と相談しながら調整しましょう。

家庭でできる喘息発作の予防

寝具・室内環境を整える

ダニやハウスダストが原因となっている場合は、 寝具の洗濯、掃除、適切な湿度管理などが役立ちます。

タバコの煙を避ける

受動喫煙は喘息を悪化させる要因です。 家庭内や車内を含め、煙にさらされない環境が大切です。

風邪への対策

ウイルス感染は喘息発作の大きなきっかけです。 手洗いや適切な予防接種などを心がけましょう。

薬を正しく使用する

吸入薬は正しい使い方が重要です。 定期的に吸入方法を確認し、 薬の使い忘れを減らしましょう。

よくあるご質問

Q. 咳がなくても予防薬を続ける必要がありますか?

必要な場合があります。症状がなくても気道の炎症が 残っていることがあるためです。 使用方法や減量時期は医師と相談しましょう。

Q. 吸入ステロイド薬で身長が伸びなくなりますか?

成長速度にわずかな影響がみられる場合がありますが、 必ず成長が止まるわけではありません。 喘息を十分に治療することも大切です。 身長の経過を確認しながら必要最小限の量を使用します。

Q. 喘息は大人になると治りますか?

成長とともに症状が改善し、治療が不要になる お子さまもいます。一方、成人まで続く場合や、 一度改善した後に再び症状が現れる場合もあります。

Q. 運動や体育は控えた方がよいですか?

喘息が良好に管理されていれば、 通常は運動や体育を楽しむことができます。 運動時に咳や息苦しさが出る場合は、 治療内容を見直すことが大切です。

Q. モンテルカストだけで予防できますか?

症状や年齢によって選択されることがありますが、 一般に吸入ステロイド薬の方が発作予防効果に優れます。 モンテルカストでは、まれに気分や行動、 睡眠の変化などがみられることがあるため、 気になる変化はご相談ください。

このような場合はご相談ください

✓ 夜間や早朝の咳が続いている

✓ 発作のたびに医療機関を受診している

✓ 発作治療薬を使う回数が増えている

✓ 運動や体育で咳が出る

✓ 予防薬をいつまで続けるか悩んでいる

✓ 吸入薬の使い方や副作用が心配

緊急時のご注意

強い息苦しさ、胸や首が大きくへこむ呼吸、 会話や水分摂取が難しい、顔色や唇の色が悪い、 ぐったりしている場合は、 通常の外来受診を待たずに速やかに救急受診してください。

お子さまが安心して毎日を過ごすために

喘息治療の目標は、単に咳を止めることではありません。 夜よく眠り、元気に遊び、学校生活や運動を 安心して楽しめることです。

当院では、お子さまの成長や生活に合わせて、 ご家族と相談しながら長期管理を行います。

発作を繰り返さないための治療を、一緒に考えていきましょう。